蓄電池の容量選び

太陽光発電の固定買取終了が近づき、蓄電池の導入を悩む家庭も多いのではないでしょうか。

蓄電池を選ぶ際にまず悩むのは「容量」
各メーカーから販売されている家庭用蓄電池の容量は、2kWh前後のものから16.6kWhと幅広く、どう選ぶのか悩んで中々導入に踏み切れない方も多くみられます。

「太陽光発電はなるべく大きな容量にするのが正解だから、蓄電池も容量が大きいほうがたくさん貯めれてお得?」
➡いいえ。決してそうとは限りません。

「太陽光発電システムのkW数と同じ分の容量を買えば間違いないんじゃない?」
➡いいえ。決してそうとは限りません。

蓄電池の容量を選ぶうえで、事前に知らなければならない知識も合わせて、お話していきます。

設置済みの太陽光パネルの容量から考える

設置済み太陽光パネルの容量に確認方法は契約書や図面で確認できます。
アルファベット+〇〇〇×△枚と記載してある〇〇〇×△の部分です。
(例)KANDK 300×20 → 300×20で6.0kW
この容量を参考に蓄電池の容量を選ぶこともできます。

例えば、上記の太陽光で1日に約3時間発電するとします。
6(kw)×3(発電時間)=18kWh
太陽光パネルで発電した電気を自家消費する量はおよそ30%といわれているので約12kWh余る事になります。
これらを全て売電せずに蓄電するのであれば、12kWhの容量の蓄電池が必要ということになります。

しかし、天候や、太陽光パネル設置状況など条件によって発電量が変わってまいります。
雨や曇りの日は数kWhと減りますし、逆に春夏の晴天時では1日の合発電量は25kWhを超えることが予想されます。
だからと言って、25kWhの容量の蓄電池は現在家庭用蓄電池ではまだありません。
※現在家庭用蓄電池の一番大きな容量の蓄電池は16.6kWhです
太陽光パネルの容量から単純計算するだけではなく、発電した電気をどのくらい売電に回してどのくらい蓄電するかを考えておく必要があります。

毎月の電気使用量から考える

太陽光発電システムを設置されていない方や売電が終了していない方は、電気の使用量から必要容量を考えてみましょう。

毎月の電気料金が分かる検針票の「ご使用量」という欄に記載されている容量(kWh)を確認してください。
例えば1か月に200kWh使用している家庭の場合、
200(kWh)÷30(日)=6.6kWh
と約7kWhほどの容量の蓄電池があれば、ほぼすべての電気をお得に使えるという事になります。

しかし、電気料金プランが従量電灯など使用電気量に比例して電気代が高くなるプランの場合この方法は役に立ちません。
夜間電気料金の安いプランに変更し、安い時間帯の電気を高い時間帯に使うことで、より一層の経済効果を期待できます。

停電時の暮らしから考える

蓄電池のメリットの一つとして、停電時に電気を使えることがあげられます。電化製品を使用するのに必要な電力量をもとに、停電時の電気の使い方を想定しましょう。

▼1時間あたりの消費電力(kWh)

冷蔵庫 0.1kWh
部屋の照明 0.05kWh
テレビ 0.1~0.2kWh
スマホ充電 0.01kWh
パソコン 0.1~0.2kWh
電子レンジ 1~1.5kWh
電気ケトル 1.5kWh
エアコン 0.5kWh~1kWh

停電時はテレビを我慢する、家族がひとつの部屋に集まり照明やエアコン分を節電するなどでも消費電力は変わってきます。
導入を機に災害時や停電時の過ごし方を一度話し合うきっかけするのもいいですね。

さいごに

上記のように、太陽光発電システムの発電量や実際に使える実効容量、停電時にどれだけ使用するか、朝晩の電気消費量とのバランス、などの選び方をバランスよく考えて蓄電池容量を検討するのが一番よい方法です。

設置する家の状況によっては設置できない蓄電池もありますので、おおまかな使用目的をご家族で検討した上でご相談いただけたらと思います。

 

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