どの家庭もお風呂の入る前や入った後に浴槽や浴室の掃除をすると思います。
では、エコキュートはどうですか?
エコキュートは貯湯タンクが一体となっており、一日に使用するお湯をまとめて沸かして貯めておく貯湯式の給湯器です。
貯湯タンクと浴槽を配管でつなぎ、お湯張りをしたり、追い炊きをしたりします。
このお湯が行き来する配管のメンテナンスを怠り放置していると、配管内に汚れが蓄積し、健康被害をもたらせてしまう危険性もあります。
配管の汚れを放置すると
配管内のお手入れを怠った場合、配管内でレジオネラ菌が増殖してしまう危険があります。
レジオネラ属菌(レジオネラ)とは、土壌や河川、湖沼など自然界に生息する「細菌」の一種です。
「39度前後」(一般細菌よりも少し高い)の環境で増殖しやすいため、近年では、空調設備の冷却塔水、循環式浴槽水、給湯器の水などに生息するバイオフィルム(生物膜)などに寄生、増殖し、深刻な問題となっています。
その水を飲んでも感染すると言うわけではありませんが、この水中の微粒な菌が、シャワー、湯気により空間中に飛散・霧状(エアロゾル)となり、それを人間が吸い込み「呼吸器より肺」に感染するとされています。
小さなお子様や高齢者など、抵抗力が低い方がレジオネラ菌を吸い込んでしまうと、頭痛や咳、下痢や高熱などの症状が引き起こされ、最悪の場合は死に至るケースもあります。
日本の場合、初夏に最も多く感染者が報告されています。
レジオネラ菌は暖かく清潔でない場所を好むため、お手入れを怠っているエコキュートの配管は増殖にうってつけです。
家族の安全を守るためには、雑菌が増殖しないよう、小まめに配管洗浄を行い、清潔な環境を保ちましょう。
お手入れ方法
普段のお手入れ…1カ月に1度
エコキュートに搭載されている自動配管洗浄を利用します。
浴槽のお湯を抜くときに、リモコンの洗浄ボタンを押すだけで自動的に配管洗浄を行ってくれます。
しかし、追い炊き機能を利用した時に、湯垢のような物や粒子状のゴミが出てきた場合、既に配管内が汚れている証拠ですので、すぐに洗浄を行いましょう。
また、浴槽の栓を抜くだけで自動で配管洗浄する機能が搭載されたタイプも発売されているので、そちらもおすすめです。
本格的なお手入れ…半年に1度
念入りに洗浄する際はジャバなどの洗浄剤を使用します。
※メーカー推
奨のものであることを確認してから使用してください。
お手入れ手順
①入浴後にお湯を残しておき、洗浄剤を溶かす
入浴剤を利用した残り湯の場合、配管に悪影響を与える可能性があるので使用は控えてください。
②洗浄水を配管に循環させ、洗浄を行う
洗浄剤が溶けたら、追い炊きボタンを押して配管内に洗浄水を循環させます。
3分程度追い炊き運転を行えば配管内に洗浄水が循環するので、10分程度その状態で放置してください。
③洗浄水を捨てる
10分程度時間を置いたら、浴槽内に残った水を捨てます。
④お風呂の栓を閉じ水を貯める
アダプタが隠れるぐらい入れれば大丈夫です。
⑤すすぎ洗浄をする
「洗浄」ボタンを3秒長押しして循環洗浄をします。
目安は約30分です。洗浄スイッチを押さなくても約6時間で自動停止します。
すすぎ洗浄を停止する際は洗浄ボタンを自分で押します。
⑥水を抜いてお風呂掃除
すすぎ洗浄後は浴槽内が汚れているので水を抜いてお風呂掃除をしましょう。
さいごに
配管は綺麗な水が通っているだけだから清掃の必要はないと考える方もいらっしゃいますが、意外と汚れが蓄積してしまうものなのです。
お湯が行き来し、暖かい環境が保たれる配管は、雑菌にとって非常に好ましい環境といえます。
エコキュートの配管洗浄は、特に難しいものではないので、やり方を覚えて定期的に行うようにしてください